幸日記

【岐阜県羽島市】幸の事件簿#7【埼玉県蓮田市】

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【岐阜県羽島市】幸の事件簿#1【埼玉県蓮田市】


【岐阜県羽島市】幸の事件簿#2【埼玉県蓮田市】

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【岐阜県羽島市】幸の事件簿#5【埼玉県蓮田市】
【岐阜県羽島市】幸の事件簿#6【埼玉県蓮田市】

令和3年4月30日の支援

10:00 岐阜羽島駅に孫娘と祖母が着く
駅の出口から見える位置に車を停め車内待機
天気もよく、高齢の祖母のことを考えると晴れてよかった、今日の支援がスムーズに事運びそうだ
今回の支援は火葬の手続きのために、検死をした病院へ行き、死亡診断書を受け取ってくることと、羽島市役所で火葬場の使用許可をすることだ
3~4時間で終わるだろうと目星を付けていた

家族と合流

家族は時間通りに到着した
これまで、約束を破ったことがないので、その辺りのことは何も心配していなかったが、孫娘がなにやら大きな荷物を一つ抱えて駅から出てきた

骨壺である

私が知っている骨壺は横15cm×高さ18cmくらいの物だが、孫娘が持っていた骨壺は横25cm×高さ30cmほどの物が木箱に入った骨壺だった

木箱だけを見ると、骨董品の壺が入っていると思ってしまう
骨董品の壺・・・略したら骨壺だが・・・

死亡診断書の受け取り

検死をした病院に【死亡診断書】を受け取りに行く
今回は、羽島市民病院だ
死亡診断書を受け取るにも料金がかかるようだが、それは孫娘が出した 当たり前だけど・・・

この死亡診断書は火葬をするのに市役所で使用許可を得なければならず、使用申請をする時に必要で、これがなければ当然火葬場を使用することができないとのこと

これは支払いと受け取りで30分ほどで終了

羽島市役所で火葬場使用申請提出

羽島市役所では、市民病院で取得した死亡診断書を提出して、【火葬場使用申請】をする
職員の言われるままに用紙に記入、支払いをして日時を確認、これで終わった

故人の自宅を見に行く

引っ越したばかりの自宅はどうするかを尋ねると、1度自宅を見に行きたいとのことだったので、自宅へ向かうことに

自宅にはつい数日前まで使っていた物がそのまま残っています
一通り孫娘が主となって中を見回して一言
「野村さん、仏壇と、ガスコンロ、テーブル以外、全部処分してください」

「???」
「まだ使える物もありますが、全部捨てるんですか?」
「はい、お願いします。ただ、すぐにお金が払えないので、祖母と祖父の年金が入った時に全部お支払いします」

迷った・・・
まだこれまでの支援費を1円ももらっていない状態でさらに売り掛けを増やすのはちょっと危険かも・・・

「ちなみに、いつなら確実に支払いができますか?」
「7月5日までには必ず支援費をしはらいます、片付けの費用はその次の年金支給日まで待ってもらえないでしょうか?」

本当に迷った
これまでのやりとりに不義理は全くなく、疑うところもない
ただ、額が増えてきているのがどうしえも不安にさせる
しかし、信じてあげたい・・・

返事は考えさせてくださいと伝えた
次の日は火葬場で火葬だ
警察署へ安置されている故人をお迎えに行き、火葬場へ送る
今日は何処で泊まられるんですかと聞くと孫娘がとんでもないことを言いだした

「漫画喫茶に泊まります」

耳を疑った
確かに、二人は生活保護受給者で少ない所持金の中から、新幹線を使って埼玉県蓮田市から岐阜県羽島市まで来ている

生活保護受給者は貯金過多は生活保護制度から外されるか、保護費を減らされるので預貯金はあまりないと思う
しかし、だからといって、高齢の祖母を漫画喫茶に一晩というのはあまりにも・・・

「嫌でしょうけど、出費を抑えるなら、この自宅はどこかビジネスホテルか、こういう緊急事態なら、ラブホテルでも話せば泊めてくれるのでは?」
と提案をするが、
「自宅は家族とはいえ、孤独死があった場所なので無理です、漫画喫茶が一番出費が少ないので漫画喫茶に行きます」
「では、そこまで送っていきます」
「ありがとうございます、岐阜羽島駅でいいです」
「お祖母様もおられますし、漫画喫茶の前まで送りますよ」
「岐阜羽島駅の近くなので、祖母の運動も兼ねて駅から歩いて行きます」

というやりとりがあり、結局、岐阜羽島駅までお送り
ここで2人と次の日10時に岐阜羽島駅で待ち合わせることを約束し、別れた
この日は、寝る寸前まで【祖母を漫画喫茶でなんて、本当に大丈夫なんだろうか?】
と何度も何度も思った
自分にはとてもそんなことはできない

信じるという行為の薄っぺらさ

片付けの件については、結果として、孫娘の要望を呑んで、片付けを後払いで受けることにした
理由としては、物が置いてある状態のままだと、当然家賃が発生し、余分な支払いが増えて孫娘と祖母の生活を圧迫してしまう
忘れてはいけない、二人は生活保護受給者なのだ
国の支援を受けて生活している二人が、毎月数万円誰も住んでいない家の家賃を保護費から取られるとなると、幸への支払いが滞ったりしてしまうのではと思ったからだ

部屋の片付け、仏壇・ガスコンロ・テーブルは幸の事務所で一時預かりをし、着払いで送るか、幸または別業者が埼玉まで運ぶか、孫娘が取りにくるか検討することとなった
それまでは預かり費用を頂いて幸が預かることに

今思うと、この時に【この人を信じよう】と思ったこの時の自分の性格を恨んでいる
そして、あんなに悩んで【信じようと思った想い】は相手にとっては和紙よりも薄っぺらい物だったのだ

さて、話しはまだまだ続きます
普段と変わらない幸の支援から始まり、滅多にない孤独死の第一発見者となり、業者に頼らず、自分たちだけで火葬手続きなどを経て、あと少しの間は、孫娘と幸の信頼関係は良好に保たれています
あの日までは・・・
#8に続く・・・

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