幸日記
2.152024
介護保険外サービス幸の緊急支援~事件から緊急ショート利用~
1ヶ月に1回の定期受診のお迎え
朝9時前、病院受診の付き添いのため、利用者様宅を訪れた
1ヶ月に1回のご本人様も楽しみにしている病院受診と買い物、外食、付き人付きの1日が始まる
いつものように玄関前に車を止めて、リフトを下ろしながら今日は何を食べたいと言われるだろう?と考えながら準備
いつものこの寒い時期であれば、玄関を開けると娘さんが出迎えてくれて、「幸さん来たよ~~~」と寝室に向かって声をかけて私が寝室まで迎えに行くパターン
1年3ヶ月のお付き合いの中で2回だけ起きたくないとパジャマ姿で布団に入ってたことがありましたが、寝室に行って声をかけると「あんたに起こしてほしかったんや」とニヤッと笑ってすぐに笑って起きてくれる可愛い女性です
玄関を開けた途端の泣き怒鳴り声
乗車の準備を終えて、チャイムを鳴らし、玄関を開けたとたん、泣き声と怒鳴り声が混じり合った声が聞こえてきた
急いで声のする寝室へ向かって行くと目に入ったのはこれまで見たことのない光景だった
そっぽを向く母とカッターを持った娘
怒っているのか拗ねているのか、娘に背を向けて布団に入っている母と、その背中を見ながら肩で息を大きくはやくして、脂汗をかき、目を見開いて鬼気迫る表情をする娘…
今思うと、最初は緊張もせず落ち着いて状況確認が出来ましたが、その後すぐに一瞬からだが固まりました
お母様を見て娘さんを見て、一瞬の判断で身体が動きました
身体の力が抜ける
ヘタに声を荒げたり飛びついたりすると誰かが怪我をすると思い、娘さんの目を見たまま、早くも遅くもないスピードで近づき、カッターを持った手首のくるぶし下を右手で掴みます
決して痛くない、でも離せないくらいの力で掴みました
もちろんカッターは刃が出ており、掴みどころを間違えると切れます
すぐに左手で娘さんの手の甲から覆い、「危ないので離しましょう」と言い、娘さんの手からカッターが離れた瞬間、身体の力がスッと抜けて、その場に座り込んで大泣き
無事誰も怪我をすることなくその場を納めることができました
介護保険外サービス幸の家族支援、心の支援
まずは泣いている娘さんをリビングに連れて行って、座らせた
母親は娘に背を向けていたためカッターを持ってたことを知らないので、利用者様にはもう少し寝ててもいいですよと伝えて、娘さんの所へ
まずはケアマネさんにメールで素早く連絡
「緊急事態です、すぐに○○さんの自宅に来て下さい、その時はたまたま近くに来たので様子を見に来ましたと言って下さい」
娘さんは自分が感情過多にになってしまったことをひどく悔やんでいる
「まずはだれも怪我をしていないので、安心しました。落ち着いたら事情を聞かせてください、一緒に少しずつ解決していきましょう」
と話すと、泣きながらうんうんと頷いてくれた
ケアマネさん到着
落ち着くのを待って15分ほど経過した頃、玄関の呼び鈴が鳴った
娘さんが出ようとするが、僕出ますよと伝え、玄関へ行くと、ケアマネさんが来てくれた
僕の顔を見るとすぐに黙って頷いてくれ、なんとなく悟ってくれたようだ
娘さんケアマネさんが近くの利用者様の名前をだして、ついでに寄ってみたと伝えてくれたことで、偶然を装って同席が可能になった
ケアマネさん、ナイスプレー!
幸到着時の説明
ケアマネさんが娘さんのそばにいてくれる間に、僕は受診予定の病院に連絡をして、定期受診を延期してもらった
幸いにも残薬が1週間分ほど残っていた
僕の方から
「僕が来た時の状況からケアマネさんに説明していいですか?」
と聞くと、落ち着きを取り戻した娘さんはゆっくり頷いてくれた
・玄関で娘さんの大きな声での嘆きが聞こえたこと
・寝室に行くとカッターナイフを持った娘さんが立っており、お母様は背中を向けていたこと
・すぐにカッターナイフを取り上げ、二人をひきはなして現在に至る
ここに来るまでに心の準備をしてくれていたようで、ケアマネさんは落ち着いて娘さんの手を握って聞いてくれた
幸が到着するまで何があったのか??
ケアマネさんがカバンから3本のペットボトルのお茶を出してくれた
来る途中に買ってきてくれたようだ
「気付かないことがあってごめんなさい、これ飲んで何があったか教えてください。もっと私を頼ってください」
自分でもわからなかったが、どこかで少しは動揺していたんだろう、遠慮なくお茶を頂いたら自分も落ち着いた…
そして、娘さんが少しずつ話し始めた
・ディサービスから帰ってくると、私も仕事から帰ってきて疲れてるのに介護をすると思うと気が滅入っていた
・母の生活が私の生活の規準に鳴ってしまっているのが辛い
・夜中も気になって寝れなかったり、起こされたりして最近寝不足だった
・ディサービスから帰ってこなければいいのにと思うことが多くなった
・母の介護全般で自分の時間が本当に少なくなった
今朝は病院受診にスムーズに行ってくれればよかったのに、朝起こした時点で自分の言うことを全く聞いてくれなくて、怒りが頂点に達してしまい、知らないうちにカッターナイフを手にしていた
何も出来ないうちに幸さんが来てしまった
ここまでを聞いてどう思いましたか?
皆さんはここまで読んでどう思われたでしょうか?
ケアマネさんと利用者様、ご家族様はお付き合いが始まって2年半が経過しています
一生懸命ケアマネさんは情報収集をしたり、宿泊を伴うサービス、入所を伴うサービスの提案をしてきました
しかし、家族が「家で何とか頑張ります」と言われてしまうとよほどのことがない限り強くは勧められません
精神的にも体力的にも辛くても家族によってはケアマネさんにも弱音を吐かない人もいます
大きな理由の1つに、単純に「お金がかかる」ということがあります
今回もそれが全てではありませんが、宿泊サービス、入所サービスを使って来なかった原因の1つです
ここで申し上げておきますが、私が見る限り、担当ケアマネさんは自分の職責をしっかりと果たし、それ以上にインフォーマルサービスもしっかりと最新情報を把握していますが、家族の気持ちまでは読み取れません
もし、家庭介護を頑張っておられる方が呼んでくださっているなら、ケアマネさんには沢山気持ちを伝えて、甘えられるところは甘えてください
さて、幸はここからケアマネージャーのサービス変更のお手伝いが始まりました
ケアマネージャーの押し
まずはケアマネさんが全然気付いてあげられなくてごめんなさい、ここで、これからすぐに利用出来る違うサービスを探します
と娘さんに了解を得て、まずはサービス変更を考える
本人が介護を受けるに当たり、ストレスを感じないようにということと娘さんがゆっくりと休めるように、まずは3日~5日間の緊急ショートスティを利用することに
そして、その間に今後のサービスを考えていくことになりました
今まで利用したことのないショートスティに娘さんは、若干の不安を感じていましたが、ケアマネさんが「毎日見にいくし、娘さんも会いに行けるから大丈夫、まずはゆっくり身体を休めて好きなことしてください」と言ってくれたことで娘さんも了承してくれた
ケアマネさんのそのまなざしは強く、全信頼を預けられるものだった
ケアマネ:ショートスティ探し、幸:利用者様の介助
ケアマネさんは市内のショートスティ事業所に片っ端から電話をかけて緊急ショートを利用させてもらえるように頼むということなので、僕は利用者様の起床介助をすることに
いつも起きる時間よりも1時間半遅くなったので、利用者様もすっかり目が覚めて、リビングでみんなが話しているのを気にしていたようだった
着替えと洗面を済ませ、娘さんが用意してくれた食事を食べるのを見守る中、なかなかショートスティが空いていないらしく、苦戦してるケアマネさん
食後の歯磨きまで介助を終わらせて、利用者様はテレビを見、僕はケアマネさんに出来ることがないか聞きに行きました
やはりショートスティが見つからないということで僕も参戦
幸の瞬殺ショートスティ探し
仲のいい人が管理者をやっているショートスティに聞こうとしたら、ケアマネさんが既に聞いたらしく、空いてないといわれた
しかし、そこからどこかないか聞こうと電話
相談員や職員ではダメだと思い、直接管理者に電話を替わってもらった
幸「久しぶり~」
管「あ、ご無沙汰してました」
幸「さっき、○○さんが今日から利用出来るショート空いてないか聞いたんだけど空いてないそうだね」
管「ん~~…そう…ですね…」
幸「緊急ショートも空いてないの?」
管「いや、そうでもないんですけど…」
幸「空いてるけど受け入れ出来ない理由が何かある?」
管「……どんな方ですか?」
幸「とりあえず空いてるかどうかを聞いてるんだけど…」
管「はい、空いてますが、できればあまり重度の方はちょっと…」
幸「大丈夫、めっちゃ大人しい方だし、ケアマネか僕が利用中は毎日見にいくから」
幸「大人しくて迷惑かけないのは保証するから昼過ぎから行く、3~5日利用で準備して」
管「はい、了解しました」
ケアマネさ~ん、ショート取れました
ショート利用準備
ケアマネさんがビックリするくらい高速でショートを取った幸
とにかく、準備と本人に伝えることを最優先にして、本人さんへの説明はケアマネさん、僕は娘さんとショートスティ利用の準備をすることになりました
説明はケアマネさんが上手くしてくれて本人さんも気を乱すことはありませんでした
娘さんは初めてのショートスティで、帰りたいって言わないか、自分が心配性だから…と気にしてましたが、そこは会いたくなったら会いに行きましょうと伝えました
準備も終わって、ケアマネさんは一時事業所へ戻り、僕はご本人様とご家族様とでショートステイの説明を笑いも交えしていました
昼食を食べてショートスティへ
お昼過ぎからショートスティの利用になるので、お昼ご飯は食べていかなければなりません
どうしますか?と娘さんに尋ねると、「母が好きな物を食べて行ってほしい」とのことでご本人様の希望でお寿司を食べに行くことに
スシローにケアマネさんも一緒に4人で行ってわいわいしながら食事を楽しみました
食後13時過ぎ、そのままショートスティに行くと、管理者が出迎えてくれましたw
先にちょっと端に呼んで「無理言ってごめんね、絶対負担にならない人だから」と伝えて面接と契約が始まりました
もちろん、管理者にも今朝のことを話して緊急ショートの必要性を理解していただきました
1時間ほどして契約も全て終わり、利用開始となりました
帰り際、ショートの管理者がご家族様に「面会時間はまだ短く設定していますが、なにか心配事や不安があったらいつでも会いに来て下さい、質問もどんどんして下さいね」と声をかけてくれたお陰で、帰り道では利用前の不安な表情はありませんでした
この記事を書いてる時には3回会いに行きました
この記事を書いているのは2月15日2時30分くらい
昨日までに3日連続3回会いに行きましたが、娘さんもケアマネさんも会いに行ってると聞きました
利用中の様子もみんなと笑顔で話して楽しそうですし、夜もぐっすり寝られています
と聞き、安心してます
昨日、娘さんに会って話しを聞いたら、精神的にもかなり楽になり、利用料もたまになら負担にならないと安心していました
介護保険外サービスは多岐にわたる
介護保険外サービスは色々な支援を求められるため、介護保険法令程度の基本的なことは絶対に知っておかなければならない
また、事業者との繋がり、介助技術も必要
多いのは知識も技術もないまま、始める事業者
このケツ拭きをどれだけやってきたことか…
介護保険サービスと介護保険外サービスの振り分け仕分けがしっかり出来て、両方を使って上手く支援出来る器量がないと介護保険外サービスは勤まらない
今回のショートスティ利用の最大の理由は、介護者の精神的、肉体的な休息が必要と言うことだった
確かにカッターナイフを持ちだしたことはとても悩ましい事実だが、今後、定期的にお互いが一人の時間を持てることで優しくなれることを期待しながら、足りない部分は幸が支援していきたい
ケアマネさんからは週に1泊~2泊で利用出来るように調整中と知らせを受けてまた幸の利用の仕方も変わってくるかもと言うことなので、心しておきたい
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。