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幸日記
4.112022
【現役特殊清掃業者が教える】一人暮らし、高齢世帯のご家族様は是非読んで春のうちに孤独死防止策を!!
毎年4月~9月、11月下旬~2月末くらいまでは1~3件の孤独死現場の片付け、清掃の依頼が入ります
今回の記事は、一人暮らしや高齢者のみの世帯を持つご家族様に向けての【春から始める孤独死対策】をご紹介します
必ず防げるわけではありませんが、少しでも孤独死を防ぐことができればと思います
では、まず始めに、孤独死をされた方の原因と年齢の割合について見直してみました
対象期間は令和3年1月1日~同年12月31日の1年間です
孤独死となった方の年齢層、原因等
こうしてみると、90代~70代の方々の中で共通している原因は【室内熱中症】です
この原因の大元となる生活状況のほとんどが【水分不足】と【エアコン嫌い】です
【水分不足】と【エアコン嫌い】はなぜ孤独死に繋がるの?
皆様の周りにもいたり、皆様自身もそうじゃないでしょうか?
・エアコンの風があたるのが嫌
・寒くなって動きにくくなる
・水分を摂り過ぎるとトイレが近くなる
確かに気持ちはわかります、しかし、この考えが特に夏に大きな問題を引き起こしてしまうのです
人間の身体(大人の場合)の約半分は水分でできています
体内の水分は汗、涙、尿、便、呼吸、唾液などの排出により、常に出て行っています
汗をかいていなくても、水分は身体から常に出て行っています
この水分が出て行っている状態をそのままにしておくと【脱水症状】を起こしてしまうのです
人間は体内の水分がどれくらい失われると、どうなるのか??
2%・・・運動能力の低下
3%・・・のどの渇き、ぼんやりし出す、食欲不振など
4%・・・皮膚の紅潮、イライラする、体温上昇、疲労困ぱい、尿量の減少と濃縮
5%・・・頭痛、熱にうだる感じ
8%~10%・・・身体動揺、けいれん
20%以上・・・無尿、死亡
%で示されてもいまいちピンとこないと思いますので、自分でできる★脱水症状セルフチェック★を紹介しようと思いましたが、今回は、孤独死対策の記事なので、脱水症状については、別記事で紹介していきます
脱水症状になると、特に高齢者は4%のところでかなり動きが鈍くなり、ここから水分摂取の行為が取りにくくなります
そうすると、そこから動けず脱水%がどんどんと上がり死に繋がると言うことです
対応策としては、当たり前ですが、常に水分を少しずつでもいいので摂取することです
これは水でもジュースでもコーヒーでも何でもよく、ゼリーなども水分補給には効果があります
一度に多量の水分を摂取するのは若い人でも限界があります
コップに飲み物を入れてそばに置いておき、30分に1回1口飲むだけでも脱水防止になります
また、食後や間食にヨーグルトやゼリーなどの水溶性デザートもお勧めです
エアコンは適切な使い方を
エアコンの風が嫌いな方はとても多く、その原因が【寒くなるから】だそうです
また、孤独死をされた方の生活状況の中に【エアコン設定の間違い】が1件だけありました
夏真っ盛りの時期に28度で暖房がついていたお部屋での孤独死、発見となりました
エアコンの風を嫌うのはわかります、人間ですから年齢関係なく使い方を間違えてしまうこともわかります
ただ、高齢者介護を20年以上やってきて知ったことは、【高齢者になれば身体の機能の全てが鈍感になる】です
私であれば、夏に間違えて暖房を入れてしまったとしても、「あれ?エアコン入れたのに暑いな」と温度設定を見直すことができますが、高齢者はどうしても皮膚で温度を感じることについて鈍感になっているので、間違えていてもそんなもんかと思ってしまうのです
風が嫌なら風向対策を
エアコンの風が嫌であれば、エアコンの風向きを上向きにしましょう
エアコン機能での風向き調整を毎回調整するのが難しい場合は、段ボールでもプラ板で養生テープ止めでもいいので、エアコン本体に風向き調整用の板を付けて上向きにするのもいいでしょう
また、高齢者世帯でのエアコンは【お掃除機能がついてないノーマルエアコン】を絶対お勧めします
ハウスクリーニングサービスを提供している私としては、お掃除付きエアコンはまだまだ発展途上機能で、今ついている機能はそんなにメンテナンス性をよくする機能ではありません
ノーマルエアコンを設置して、高齢者世帯であれば2か月に1回のフィルター掃除をする程度で十分です
また、エアコンのリモコンは、機能が多い関係でボタンが多く、表示も小さいです
こういう物も売っており、実際に私も介護保険外サービスでお世話になっている利用者様にお勧めして使ってもらっています
見やすくてボタンも大きくて快適であるとお墨付きを頂いていますのでご紹介します
画像をクリックすると購入ページに移動することができるので、是非お買い上げ下さい
そして、エアコンと同時使用でも、単体使用でもいいので、扇風機またはサーキュレーターや室内に作り付けの換気扇を使用して下さい
これも身体に直接風が当たるのが苦手という方は、風向きを上方向にして使用すればいつも部屋の中は空気が混ざり合い、室内温度の低下が期待できます
ご家族様がいる場合は、エアコンのフィルター清掃程度はご家族様でやってあげて下さい
洗面所や外の水道でエアコンフィルターを外して洗って拭いて乾燥させて取り付けるだけなので、30分もかかりません
高齢者の方だけで生活援助のほとんどをヘルパーの支援などでまかなっている方は、エアコンの掃除は、老振第76号の「日常的に行われる家事の範囲を超える行為」に該当するため、介護保険で対応することはできません。
他の支援と併せて介護保険外サービスに依頼して下さい
幸であればエアコンクリーニングも承ります
自宅の中で転倒しないような工夫をしよう
脱水症状、室内熱中症の次に孤独死の原因の多くは【室内での転倒による強打】でした
なぜ転ぶのか?という疑問の答えは「高齢者であり、足腰が弱り躓いたりよろけたりしたときに踏ん張る力が低下しているから」なんですが、それ以前にも原因があります
それは【部屋が片付いておらず、床に落ちている物が原因で転倒する】です
これまでに見てきた孤独死現場の写真を見てみましょう
全て孤独死のあった70代~90代の方のお宅ですが、こうしてみると、本当に片付けができていません
こういった場所に住んでいると、転ぶのは必然かなと思ってしまいます
先ほども書きましたが、高齢で足腰が弱ってきている状態の方がこのようなほとんど床が見えない状態の室内を歩くことは大変です
中には這いつくばって移動していた方もおられたようで、大事になる前にご家族様などで片付けてあげれば命を落とすことはなかったのかなと思います
また、孤独死となることで臭いなどが原因で生前に片付けておけばかかったであろう費用よりもかなり高額のリフォーム費用が必要となる場合もあります
介護保険利用者であれば【住宅改修】という制度もあります
こちらについては、担当ケアマネージャーに使えるか聞いて下さい
また、片付けることで部屋が広く使えるが、何かにつかまって移動することが難しくなる場合も、介護保険では【福祉用具レンタル】というサービスもあります
階段を上り下りする方には、階段の踏み板に滑り止めを付けたり、しっかりと身体を預けられる丈夫な手すりを付けることをお勧めします
このような状態のお家をなんとか片付けたいと言う方やご家族様は幸にご相談下さい
孤独死のその他の原因
中には防ぎ用のない事故による孤独死もありますが、地域サービス、介護サービス、介護保険外サービスを適切に利用することで防げることもあります
例として、幸がこれまでに事故防止の観点から要請を受けた支援内容は
★入浴前~入浴後の更衣、整髪終了までの見守り
★普段行けない2階での作業の見守り、支援
でした
これは、ディサービスに行きたくなく、自宅にいたい、でも自宅ではお風呂も入れない、ヘルパーさんは入浴関係以外の生活支援で入っており、単位数の関係上、今以上には入ることができない
と言うことで、入浴前~更衣、整髪終了までの見守りをおよそ8か月ほど、毎週2回2時間支援していました
訪問→浴槽にお湯溜め→入浴見守り→洗体→入浴見守り→拭き上げ→更衣、整髪→風呂掃除
という支援の流れです
これは当初、ヒートショック対策で12月からの支援となりましたが、翌年の8月に無事、ディサービスに行けることになり、支援が終了しました
また、別の方は、自宅の階段の登り口に設置された鍵の掛かった扉を開けて、どうしても上に行って見たい物、欲しい物があるということで、過去10回ほど一緒に2階へ上がり、捜し物等をして下に降りて鍵を掛けるという支援も行いました
心不全や浴槽内での溺死による孤独死については、これは防衛策がとても難しいと考えています
現在も週1~14回の頻度で10人ほどの定期確認に伺っていますが、どの方も心疾患に繋がるような病気を一つは持っています
いつ誰がなってもおかしくありませんし、自分自身ももう48歳なので自分の心配もしなければならないくらいです
ただ、ご家族様がおられる場合は、2日~3日に1回は一言でいいので電話で声を聞くことをお勧めしています
「おるか?んじゃいいわ」
これだけでいいんです
自殺による孤独死
これは幸の孤独死清掃の中で一番痛ましい1件でした
未来ある若い夫婦が二人同時に心中、自害されたのですから
一人は寝室のベッド上で、もう一人はベッドの下で
ベッドの下にいた理由は、苦しくて動き回ったからだと警察の方が話されていましたそうです
夏真っ盛りの8月、たった4日経過しただけで人間の身体から出る体液とそこに群がるウジ虫と羽化した蠅はすごい数です
お二人のご両親は見積もり時、作業開始前、作業開始後、リフォーム確認後の4回お会いしました
当然のことですが、憔悴しきってお母様は今にも同じことをしそうなくらいでした
発見当初からエアコンは点いていたとのことでしたが、ここ数年、夏の暑さがエアコンを少し使ったくらいでは効かない暑さになっており、腐敗も数日でかなり進んでしまったようでした
このような件は、普段から兆候が見られれば防ぐこともできるのでしょうが、これも思い立って勢いがついてと言うこともあるため、完全に防ぐのは難しいかと思います
幸の孤独死清掃
幸の孤独死清掃は他とは少し違います
それは、孤独死を発見されて、警察に連絡した後、清掃業者を探す段階で幸にお知らせいただければ、できるだけ迅速に駆けつけ、まずは初動対処サービスを行います
これは近所、他の部屋に孤独死体や体液から出る腐敗臭などを外に出さないように1室にとどめるようにします
ここまでが無料の初動対処となります
このあと、業者をゆっくりと探していただけたらと思いますし、そのまま幸が見積もりをとって、片付け、クリーニングも行います
ただし、幸の場合は、必ず室内の壁紙や床板等の交換、所謂リフォームをお勧めします
この理由としては、腐敗臭はそんなに簡単に取れません
よくオゾン脱臭機で除菌脱臭、消臭と大々的に謳っている業者がありますが、その程度で腐敗臭が完全に消えるなら苦労はしません
たまに来る依頼で、夏場になると【あの匂いがするから見てほしい】と、言う依頼です
行って話を聞くと、以前、この部屋で孤独死があり、オゾン脱臭機で匂いは全て消えたと言われたが、夏になってまた臭ってきた
という依頼です
これを【臭い戻り】と言います
費用は掛かりますが、点検をすると、倒れていた場所の床板はそのまま、壁紙もそのまま
芳香剤のような強い匂いと換気だけでごまかしていました
結局このお家は幸でリフォームをして床下まで防臭作業を行いました
壁や木はあらゆる匂いを吸収し吐き出します(呼吸をしているのです)
匂いを元から絶ち、交換をすれば、匂い戻りはなくなります
リフォームを勧める分、お金は掛かってしまいますが、何百万とはかかりません
もちろん、事前に見積もりをし、ご納得いただいてからの作業なので安心して下さい
初動対処だけでもしっかりとやらせていただきますし、見積もりも他社との比較に使っていただければと思います
春のうちに確認しよう!!夏の孤独死防止策
・エアコンはしっかり動作するか
・エアコンを正しく使うことができるか
・部屋は常に片付いているか
・部屋の換気システムは稼働しているか
・地域とのつながりはできているか
・少なくとも3日に1回は誰か人と会う、話す機会があるか
・食べ物、飲み物は常に冷蔵庫、冷暗所等にあるか
・危ないと思う箇所の対策はできているか
・認知症、身体の動きの悪さなどが進んでいないか
・目につくところに主要連絡先が書いてあるか
是非この辺りのことを今のうちに点検をして、夏の孤独死防止に役立てて下さい
うちの家族に限ってとは思わないで下さい
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