幸日記

若夫婦の遺品整理

はじめに・・・

今回の記事は写真等はありません
また、遺品整理は高齢者のためだけではなく、年齢関係なく行われ、その内容は常にご家族様と共に行うということをご理解下さい

お母様からの電話で始まりました

病院付き添いで待合室にいるときに電話が鳴りました

「遺品整理をお願いしたいのですが・・・」

現在、病院付き添い中である事、待合室では長々と話しができないことを伝え、解除終了後にすぐ電話を折り返しますと一旦電話を切り、1時間半後にかけ直しました

おかしい・・・なにかがおかしい・・・

遺品整理のご依頼を受けたとき、必ずお聞きすることがあります
  • 場所
  • お宅の広さ
  • 残してほしい物は何か
  • 処分する物があるかどうか
亡くなった原因などは聞きません
しかし、話しを聞いていると、高齢者と決めつけていた私の頭の中で何かがおかしい・・・なにか違う・・・と思うようになり、聞くのを忘れていた事を思い切って聞いてみました

「失礼ですが、どなたの遺品整理でしょうか???」

驚きとショックと悲しみの打ち明け

電話口のお客さまから出た言葉で体が震え、次の言葉は何を出したら良いのかわからず、声にならない声が出ていたと思います

息子様ご夫婦の遺品整理でした

将来を悲観して自死され、やっと落ち着いてきたので遺品整理を都のことでした

お二人が亡くなられてから1年半が経った今の依頼でした

現状確認

お母様と待ち合わせをし、遺品整理を行う息子様ご夫婦のご自宅を見せて頂きます

敷地内には母屋と離れ

その離れが息子様ご夫婦のお部屋でした

今もまだ住んでいるのではないかと思う室内
本来であれば、あと数年で離れを出て、家を購入する予定で一生懸命お金を貯めておられたそうです

室内の生活用品を見ても、決して贅沢をしている様子は覗えません

2時間ほど話しを聞きながら、見積もりを出すために色々と見させていただきました

遺品整理の説明

これまでに、遺品整理を依頼した方も、これから依頼しようと考えておられる方もこの記事を読んで下さっていると思います

遺品整理は不要品処分とはまったく違います

不要品処分は、必要ない物を処分する作業ですが、遺品整理は故人が残した物を依頼者と共に確認して仕分けをしていきます
また、不要品処分と処分方法も異なります
供養の必要性や要望があればお焚き上げなども行い、メモ用紙1枚も必ず何が書かれているか確認し、残したい物と処分したい物をしっかりと分けます

その分、手間も費用も不要品処分よりも掛かりますが、かかった費用を裏切らない内容となっております

作業日までの手配

見積もりと作業内容にご納得いただき、作業日も決まりました

既に処分する物は決まっていますが、細かい物は見ながら決めたい、わからない物は見せてもらいたいとのことで、再確認が必要な物が多そうな気配だったので、確認物をまとめる箱を5箱用意し、90リットルのゴミ袋を100枚用意しました

また、処分をするのに、一般廃棄物運搬業者に連絡し、搬出日時を調整します

最初から一般廃棄物収集運搬許可を持っている業者にお願いすればいいと思う方もおられると思います
確かに、費用面ではお安く済む場合が多いですが、遺品整理という視点から考えると、室内外にあるもの全てが遺品です
一つ一つの遺品をしっかりと見て、見極められるプロではありません
また、仕分け、見極め、ご遺族様との関わりが一番難しいことを知っていただきたいとおもいます
片付けのプロと、処分のプロは分かれて、時にはお互いが助け合い、足りない物を補い合う協力会社なのです

作業日当日

前日に、再度一般廃棄物収集運搬許可業者に連絡をし、作業日当日の再確認を済ませ、お母様にも連絡をし、当日を迎えました

室内に入る前に手を合わせ、「真摯に整理をさせて頂きます」と声に出し、作業を開始します
  • 可燃物
  • 不燃物
  • 大型家具
  • リサイクル家電
  • 寝具
  • 残したい物(確定)
  • 残したい物(後で確認する物)
このように分けていきます

室内の見やすいところに残したい物リストを貼り、確認しながらどんどんと仕分けをしていきます

ありがたいことに、庭が広く、4t車が入って楽にUターンができる広さ
大型家具とリサイクル家電は外に置き、足場やゴミ袋等の置き場を確保しながら仕分けをドンドンと進めていきます

協力会社との連携

大方の仕分けが終わり、時間通りに一般廃棄物収集運搬許可業者が来てくれました

事前に処分する物の内容と量を伝えていたので、何事もなく引き上げて頂きました

見積もりの段階で、一般廃棄物収集運搬許可業者の見積もりも入れておきます
これは、事前にパッカー車1台いくらで話しをまとめていました

ここで注意!!
遺品整理や不要品処分業者の中には、一般廃棄物収集運搬許可業者の出した見積もりに上乗せする業者があるので気をつけて下さい
幸はいわゆる中間マージンは頂きませんので、その分他社よりはお安くできます!!

細かい物の仕分け

事前に用意しておいた駒買い物仕分け用の箱5箱はお母様と手分けして分けることにしました

3箱を事務所に持ち帰り、仕分けをしているときに、見つけました


お母様がどこにあるんだろうかとずっと探していた物です
それがこの記事の冒頭で出てきた指輪です

当日は一般廃棄物収集運搬許可業者の時間もあり、しっかり見ていませんでしたが、箱の存在は覚えていました

お母様はこれがあれば他の物は・・・と言われるくらい探していた大切な指輪でした

仕分け品を確認していただく

事務所で仕分けした物は、事務所側で処分は絶対にせず、1度、お母様に見ていただいたところで処分が決定します

最初に指輪を見せました

これまで一生懸命笑っていたお母様が堰を切ったように涙があふれ、一生懸命指輪を抱きかかえておられました

何度も何度も有難うございますとお礼を言われ、精算をして終わりましたが、目的の遺品は全てお母様の手元に残りました

遺品整理は喜怒哀楽が入り交じる

遺品整理に限っては、いつもご遺族様と共に行うことを主念として行っています
色々と遺品が出てくると懐かしんで笑ったり、泣いたり、中には別の女性や男性の写真が出てきてプンスカ怒ったり、他の女性への贈り物の予定のジュエリーが出てきて喜んだり、二人の思い出に涙したりと色んな表情が現れます

できる限り、最後までおつきあいして、最後はお互いに「ありがとうございました」と言い合って終えられるよう心がけております

今回の依頼は本当に辛い日々を乗り越えて決心された依頼でした

お母様が必要ないと言われても、これまで立ち会ってきた経験を基に、このようなものは後々必要になったりすることもあるので、とっておいて下さいとアドバイスをさせて頂いたりしています

遺品整理とは常に遺品の持ち主、ご依頼者様の心情を理解し、思いを酌んで行う行為だと思っています

幸に感情も含めて全てをぶつけてご依頼頂けたらと思います

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