幸日記

岐阜市から特殊清掃・遺品整理③遺品整理編

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この記事は【岐阜市から特殊清掃・不要品処分】の第3話目になります
下記の記事を読んでから本記事をご覧頂くと話しが繋がり、読みやすくなります

ご遺族様の入室

消毒、除菌殺菌、脱臭消臭が一通り終えたところで、ご遺族様に報告と、今後の作業工内容とご遺族様にもここから参加、お手伝いをして頂くことをお話ししました

消毒や脱臭などは専門的な知識や技術が必要になってくるのでご遺族様ではできませんが、これから行うのは遺品整理です

孤独死はなにも準備ができない

これまで、介護保険事業所で施設長として勤務していた間、何人もの利用者様とお別れをしてきました そのほとんどが、医療依存度が高くなり、施設生活が難しくなり入院、その後亡くなられるというパターンでした このような場合、ご家族様は逐一主治医の先生や看護師さんから現状を聞き、死期が迫ってきたと感じた場合は準備に取りかかるご家族様も多くおられました もちろん、突然亡くなられて、通夜、葬儀の準備に追われるご遺族様もみてきました しかし、突然の孤独死よりも心の準備などはなんとなくでもできていたと感じていますが、孤独死の場合は本当に突然です 気づくきっかけは
  • 電話連絡が取れなくなる
  • 近隣住民からの臭い通報
  • 郵便受けの新聞、郵便物の多さなど
このような事がきっかけとなり発見されることがあります

発見後のご遺族様は深い悲しみを抱くよりも孤独死をされたお身内のお姿、予期せぬ突然の別れなどのショックが大きく、取り乱す方がほとんどです
そのため、その時には冷静でいられる方がそばにいると孤独死に対しての冷静な判断と対処が可能となります

幸に孤独死後のクリーニング依頼がある時はパニックになって連絡をされる方と冷静に淡々と連絡を下さる方がこれまでは半々でした

特殊清掃業者を選ぶポイントの一つとして、作業費の高低だけではなく、そういったご遺族様の状況、気持ちを理解して作業ができる業者かどうかを見極めることも必要となります

ご遺族様と遺品整理

消毒殺菌、脱臭消臭を終えた部屋にご遺族様と入り、ここから遺品整理の開始です

ただ、壁紙や床をめくっての作業はまだ行っていませんので、まだ完全に臭いが取れているわけではありません
ご遺族様には目に入る物でとっておきたい物、確認したい物を見ていただく程度です
押し入れの奥の方や見えない部分は作業前に思い出してリストを作成してもらいます
また、処分していい物に関してもここで目に入った物はお伝えしてもらうようにしています

遺品整理はすぐには処分せず、一時保管

通常の不要品処分であれば、ほとんどの場合、すぐに一般廃棄物処理業者に処理をお願いしますが、遺品整理の場合は違います その場で徹底的に中身を全て確認して【遺品となり得る物】を探しながら仕分けをします

また、物が細かい場合は事務所まで持って帰って、後日、ご遺族様にお渡しして、遺品とならない物は処分対象としています

遺品となる物を持ち帰って調べる際は、事務所の庭がエラいことになりますが、これも遺品整理をする時間もとらせてもらえなかったご遺族様のため
全て細かく見るように心がけています

遺品整理を終えて片付けた事務所前の庭です この程度であれば1日で終わらせます
この動画では雨が降っていないので外に置いていますが、雨降りの時はガレージで作業を行います
この中にも小銭や古銭、写真、保険証関係、証書関係、へその緒、日記、貴金属などが混ざっています

それらを全て小箱や段ボールなどに入れて後日ご遺族様に確認していただきます

遺品整理が終わった後、再度ご自宅へ残す物と廃棄する物に分けた遺品を戻し、一般廃棄物収集運搬業者様にお願いをするという手順をとっています
その際、できるだけご自宅へお戻ししてから2日以内に収集、運搬をして頂き、長くご自宅に遺品内の廃棄希望物が残らないように業者様と調整をしております
ちなみに、小銭は予め下見の時に何となく見て多いと予想をした時には右の画像の様にペットボトルにドンドンと入れて、最後にお渡しするようにしています

このまま銀行へ持って行き、【中身がいくらかわかりませんが、預金でお願いします】というと、手数料なしで預金できます
このペットボトルは2リットルで13,000円ありました

お片付け作業時にとっておいて喜ばれた物ランキング

生前遺品整理、ゴミ屋敷掃除、特殊清掃、生活中の自宅の片付けなどありとあらゆる片付けを行ってきた中で、とっておいて喜ばれた物ランキングを作成しました
これが全てではありませんが、皆様も全て捨てると思っていた業者がとっておいてくれたら嬉しいと感じていただけると思います

もし、これ以外にとっておいてもらいたい物があったらコメント欄で教えて下さい
参考にさせていただきます

1位:現金

当然ですね
お金は申し出がなくとも、幸ではお片付け作業で出てきたお金は全て返却していますので、ご安心下さい

お家丸ごと、お部屋丸ごとの片付け依頼を受けると必ず出てきます
ごく希に、昔のお金も見ることがあります

2位:貴金属

貴金属も1位のお金と同様に皆様とっておきます
貴金属も真贋が不確かでも、全て返却していますので、ご安心下さい
また、幸ではリサイクル換金代行も行い、お客さまの代わりに買取店へ持って行きお金に換えてから明細と共に返金するサービスも行っています
お金よりもランク下になった理由としては、私のじゃない、覚えていないなどで廃棄を希望される方も希におられるからです

3位:通帳、明らかに大事な物

使用済み、使用中にかかわらず通帳はお渡し品です
ご家族様がどこの銀行と取引があったかわからない時のヒントにもなり、中には知らなかったけど、中身を確認したら○百万の預金があったなどという場面にも遭遇したことがあります

ご本人様が忘れないようにと書いておいた封筒などもたまに出てきます
こういう物も中身が何かに関わらず、返却し、確認後に必要なければ処分対象となります

刀剣、美術品、ビデオテープ等

これまでのお片付け業務で最高額が200万の絵です!
刀剣や美術品、ブランド物の中には、時間経過と共に価値が上がっていく物もあります
幸ではその価値がわからない事があるので、それらしい物は全て確認していただき、残す物か処分する物かを決めていただきます

写真や日記は思い出として残されることがあるので、必ず見ていただきます
写真を見ても誰かわからない場合もありますが、日記は時代背景もわかったり、思い出されたりとみながら泣かれる方もいます
8mmやDVテープなどは、有料ですがDVDに変換保存サービスも承っています

廃棄後の取り戻しはとても難しいのです

幸では、お片付け作業の場合に、間違って廃棄してしまわないように、事前にお客さまに書いていただく物があります
これは大切な物をお客様に思い出してもらうためと、幸が間違えて廃棄してしまわないようにするためです

これを書いていただくようになってから、お客さまからの取り置きの品が増えて、「思い出せて良かった」と嬉しいお言葉も頂きました

お客さまにお願い


廃棄処分になってからでは思い出の品や大切な物は取り戻せません
作業開始前までに必ずアバウトでもいいので「こういう物をとっておいて下さい、捨てる前に見せて下さい」と伝えましょう

悪徳業者に大切な物を持って行かれないようにするために

同業者の中には、多少の小銭や換金できる切手やはがき、貴金属類を自分のポケットに入れてしまう業者が多いです

多いですと書いた理由は、これまで、この仕事を教えてくれた方、人数が足らず手伝ってもらいたいといわれて支援に行った同業者の全員が口を揃えて言いました

日本刀が出てきた時には「よし!!イイモノが出てきた!これで今回の元は取れた」といっていた姿を見た時はこっそりと家族にお伝えして、当日の最後の最後に家族から「日本刀が出てきませんでしたか?」と言ってもらいました
しかし、言われた本人は「いえ、出てきませんでしたよ」と言ったのです
そこで家族の次の言葉が「お金を余分にとってもらってもいいので、警察立ち会いで全て確認してもいいですか?今から電話しますので」と携帯電話を取り出しました

同業者は脂汗が出て、目が泳ぎ、私の顔を見たりトラックを見たり、家族を見たり・・・
「見落としがあるかもしれませんので確認してみます」と確認した先はトラックの助手席

お金になりそうな物は助手席にまとめておいていたのです

ここもみていた家族から「運転席と助手席をこのまま確認させてもらいます」とご主人が同業者をどかせて奥様が車の中を確認したところ、現金、切手、貴金属、日本刀、ブランド物のカバンや財布などが出てきました

「なぜ、これだけが助手席に乗ってるんですか?お金になるからでしょうか?」と家族が聞くと「後でお返ししようと思ったんです」と嘘八百が出ました
「日本刀が出てきた時に元が取れたとかって言ってたのはどういう意味ですか?」と言われた時点で私が話したことが理解できたようです

同業者はすごい顔をして私をにらんできましたが、そこはご家族様が機転を利かせて下さり「申し訳ありませんが、以前、不要品処分をお願いした時に痛い目に遭ったので、業者に頼んで機械を仕掛けさせていただきました」と
ここで同業者は観念し、私が言ったのではないとも思ったようで土下座をして「申し訳ありませんでした、お代は結構なので警察だけは許して下さい」と半泣きでした

私自身、同業者に恨みも何もありませんでしたが、明らかに換金できる物をお客様に返すことをしないのはおかしいです

結局この時、同業者はお代を受け取りませんでした
私はしっかり同業者から人工代(日当)はいただきましたが・・・
後日、この時のお客さまから連絡をもらい、2組のお客さまを紹介をして頂き、日本刀の所持許可についてや換金等をお手伝いさせて頂きました

このように、少しくらいならと持って行ってしまう業者が多いのは確かです
事前に、お客さまの方でこのような物を用意してもいいかもしれません

幸で使用している作業前誓約書

実際に幸で使用している誓約書になります

堅苦しいと思われるかもしれませんが、これは、私が私自身を守るためと、お客さまを守るため、お互いのトラブルを防ぐためです
たまに、処分後に○○を返してくれと無茶を言われる事もありますが、ほとんどの場合が一般廃棄物運搬業者に持って行ってもらった後で言われることがあり、無理な場合が多いです

また、この誓約書があるなしで私の気持ちがぶれてはいけないのですが、これを書いて頂くことにより、私の気持ちもピリッとして引き締めて仕事をお受けすることができます

実際に、これを毎回作成するようになってからのトラブル等は1度もありません

同業者様やご依頼者様で誓約書がほしい方はメールをください

幸で使用している誓約書や残してほしい物リストがほしい方はトップページの方からメールを頂ければ1部300円でメール対応しますのでお知らせ下さい

遺品整理は丁寧に

遺品整理は不要品処分と違って、一つ一つをしっかりと確認し、ご遺族様の意向や思いを酌める者でないとできません
同業の皆様、仕事を受けるまではとても親切で、泣けるような言葉も言われますが、とんでもない悪質な業者もありますので、お気を付け下さい
国家資格でも何でもないですが、少しでもお客さまのためになればと勉強のためだけに取得しました

最後に

もちろん、量によりますが、不要品処分よりも遺品整理の方が何倍も時間がかかります

もし、皆様が依頼した業者の遺品整理方法に疑問が生じた場合、それが正しい遺品整理の方法かどうかを判断しますので、作業途中でもご連絡頂ければお答えします
また、ご家族様、ご遺族様から業者に「遺品整理であれば、このようにして下さい」と伝えられるようにもお手伝いします
※その程度であれば料金は無料でさせていただきます

次回の記事で最後になります
次回はリフォーム、完結編となります

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  1. 2019年 10月 09日

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